京都探訪記その2 皇居参賀東本願寺京都七条の食堂を出る際に、店のおねぇちゃんに尋ねた。 紅葉を見物する場所で良いところがないか、である。 実は、前回も書いたが寂光院に行くには朝からでなければ務まらない。今回も時間を工夫しているのだが、そんな余裕はない。 だから、近場で穴場はないかと聞くと、東寺が良いと云う。 お~、そうじゃ。京都駅から見える五重塔じゃ。 随分昔のことだが、世田谷美術館に東寺の仏像が来ていたことを思い出した。おいらは世田谷美術館まで出向いたのである。 さて、東寺はこの店から歩いて20分程度である。京都駅から市バスが出ているというので、ぶらぶらと歩きだした。 そうすると、左手に東本願寺が観えてきた。 お~、そうじゃ。ここも観ておこうと、ちょっと寄り道。 おいらの従兄弟が住職をしている某寺がある。広島市の奥座敷である湯来温泉に所在している。西本願寺系である。 西本願寺は秀吉が造った。それに対し、東本願寺は狸親父の家康が造ったのである。 家康が本願寺という眠れる獅子を手飼いにしようと、教如に勧めて別の本願寺を創らせたものだ。 本来なら西本願寺に行きたいところだが、目の前に東本願寺があるのだ。西本願寺には、また別の機会に行けば良い。 東本願寺の前の並木通りは、もう紅葉が始まっている(写真上)。 東本願寺の本堂は、かくの如し。 残念ながら、現在、御影堂門と阿弥陀堂が修復中で大きな幕が掛っており外見を観ることができない。 しかし、本堂に参り、御経を上げておられるところを拝見することができた。有難い。おいらも参拝させて貰った。何かのご利益があるだろう。 京都東寺の紅葉(前編) 京都は、周囲を4つの道路に囲まれた都である。その4つの道路を東大路、西大路、北大路、南大路と呼ぶ。 京の南の果てが南大路で、九条通りに当たる。おいらは市バスに乗って九条通りにある東寺南大門前で下車した。乗車賃は市内均一で220円。 お~、東寺の南大門じゃ(写真上)。 護国寺、正式には「教王護国寺」、通称、「東寺」に着いたのである。 いそいそと境内に入る。 目の前に金堂がそびえている。 右手を見れば、東寺の塔である。 京都で一番高い建造物と云えば、東寺の五重塔と決まっていた。地元では五重塔などとは云わず、「東寺の塔」と韻を踏んで呼ぶ。 この寺、護国と名が示すように、国家を守る国立の寺院である。初代住職は天才であった空海、すなわち弘法大師である。空海は高野山で修業したが、そこで会得したものをこの東寺で実践したのである。 「身は高野、心は東寺におさめをく」 なるほど、洋行帰りの空海らしい言葉である。 さて、おいらはいの一番に東寺の塔を訪れようとしたのだが、柵があって中に入れない。 何じゃこりゃ、と思ったら、左側からぐるっと回って拝観料を払わなければ中に入れないという構造になっている。 さすがに京都の寺、しっかりしているのぅ(この項続く)。 京都東寺の紅葉(後編) 東寺の境内は広い。 正面にある金堂を左側から眺めながら歩く。同様に講堂も左側から眺めながら直進する。 宝物館を前にして右側に進むと、拝観受付がある。つまり、ここで拝観料を払って参拝するという分けである。 拝観料は宝物館と観智院を含めて3か所をセットで訪問すると、割安となっている。 ただし、この券は午後3時には販売が終了する。夏時間の拝観受付は午後5時半に終了するのだが、冬時間の今は午後4時半に終るからである(退出は終了時間から30分間後)。 すでに午後3時を回っていたが、京都には滅多に来れないのでと云うと、係の女性が特別に譲ってくれた。有難い。 駆け足であったが、宝物館と観智院を見学し、さらに東寺の中を満喫する。 日が暮れゆく中の東寺は、紅葉が始まっている。 瓢箪池の一部では、既に紅葉が盛りである。 絵になる光景である。(なお、この楽天のブログ、今月に入ってから写真が小さくなったので不満である。楽天ブログのキャパシティはこんな程度のものなのかのぅ、三木谷さん) 下は、東寺東門前の風景。心が和むのぅ。 ここから徒歩で京都駅まで15分。ゆっくりと東寺の余韻を味わいながら古都の街を歩いたおいらであった(この項終り)。 笑いと標語は関西である 広島で育ったので、笑いは関西だというのが持論である。そう云えば、広島のテレビでは毎週土曜日の午後、吉本新喜劇の中継をやっていたことを思い出す。 おいらは思うのである。関東の漫才など、はっきり云って漫才ではない。 笑いと云うのは、ある意味でしつこくなければならない。おっと、考え違いして貰っては困る。しつこいと云う意味は、くどいという意味ではないのだよ。 しつこいというのは、濃いという意味である。 だから、関西の笑いは「これでもか」になりやすい。人はそれを下品と呼ぶ。 これに対し、関東の笑いはあっさりである。洒落と云い換えても良い。良く云えば、上品である。しかし、ほとんどの場合、演じている本人だけが満足している。だから、面白くないのである。 閑話休題。 下の写真は、新大阪駅でのポスター。 これである。これは関西の笑いと同じである。 下の標語は京都のものである。 文字の配列がまずいが、云わんとすることは良く分かる。本音で喋っている。 東京の標語も関西風にしないと…。 再び京都訪問(前編=本願寺) 関西への出張が続いている。時間をやりくりして再び京都を訪問した(写真は本願寺御影堂門)。 島原へ赴こうと思った。新撰組が連夜遊んだ場所でもある。それに大門(「おおもん」と読む)が残っているというではないか。おお、おいらの知的(痴的)好奇心が刺激されるのぅ。 京都駅に降り立つ。地図で調べると、島原へは歩いて行ける距離である。 前回食した「海鮮カレー丼」がことのほか旨かったので、再び「力餅食堂」を訪問する(フリーページ「京都探訪記その2」参照)。げに、仕事の終わった後の昼酒は美味い。いや、海鮮カレー丼が旨い。 島原へ行く途中に本願寺がある。 先日も述べたが、京都で本願寺と云えば西本願寺のことである。そりゃそうだ、もともとは本願寺は一つだったのである。本願寺に立ち寄る。 御影堂門から入る。境内は広い。 国宝御影堂の前では信者の方々が記念撮影をしている。 伏見城から移したと云われる唐門である。 本願寺は新撰組ゆかりの地でもある。太鼓楼(写真下)は壬生の新撰組が手狭になったので一時、ここに住んだという云われのある建物である。 本願寺、まっこと大したものじゃのぅ。梅棹忠雄によれば、明治初期には本願寺の収入と当時の京都市の歳入とはほとんど同じであったという(「梅棹忠雄の京都案内」平成16年、角川文庫)。 それが今や、本願寺の収入は遠く京都市に及ばない。それほどかつての本願寺には力があったのじゃのぅ。う~む(この項続く)。 再び京都訪問(中編=島原) 本願寺を後にして、いよいよ島原に赴く。島原の入り口である。 それらしい建物がいくつも並んでいる。名古屋の中村遊郭跡地を思い出した。 突き当たりに大門がある。 そこを歩くこと数分、揚屋である角屋(すみや)を発見する。今では島原美術館(角屋保存会)である。 入口には刀掛けがある。ここで侍の刀を預かったのだ。刀箪笥もあるぞよ。 これが有名な「松の間」である。 芹沢鴨は暗殺された当日、この部屋で饗応を受けたのだ。文武両道の芹沢は使い手であり、尋常な方法では太刀打ちできない。そこで酒を飲ませて遊女と一緒にいた寝込みを襲ったのである。 新撰組の定宿であった壬生寺の八木邸もこの角屋からそう遠くはない。芹沢鴨は駕籠で帰ったが、浪士は徒歩で帰った。おいらもゆっくりと壬生寺へと歩く。 勤皇の志士が新しい日本を創ったが、新撰組も歴史に欠かせない存在であった。新撰組にゆかりのある地をこうやって訪れると、勤皇も佐幕も併せ呑みこんだ京都と云う町の懐の深さに畏れ入るしかない(この項続く)。 再び京都訪問(後編その1=二条城、御所) 日を改めて、三度(みたび)京都を訪問した。 御所の中は入れないが、二条城の中は観覧可能である。この城は戦闘用に造られたものではなく、徳川家のいわば京都における別荘のようなものである。 二条城には必見のものなど良いものが多いと聞いている。ためらわず市バス(220円)に乗って、二条城前で降りる。 ところが、火曜日(12月4日)は定休日だという。 え~? 聞いてないよぅ~!! 普通、休館日は月曜日だょ。季節によってはこういうこともあるのだねぇ。 しょうがないから、御所まで歩くとする。途中、ここは京都1区だと分かる。 解説は止める。 ところで、今日は何故か警官が多い。御所までの時間を警官に聞くと15分程度だと云う。 印鑑屋があったので中に入る。おいらは印鑑が好きなのである。中でも篆書(てんしょ)体の印鑑は最高である。 おいらのペンネームである「柚木」という篆書体の印鑑を見付けたことがなかったので、期待しないで店を覗くと、おお、置いてあるではないか。 流石に京都である。 早速求めると、店主が問わず語りで「今日は陛下がお見えです」と云う。 お~そうか、だから、警察官がてんこ盛りなのだ。そうすると、おいらも陛下にお会いできるのかも(この項続く)。 再び京都訪問(後編その1=二条城、御所) お~、そうすると、このまま御所に向かえば陛下に会えるかも知れないではないか。 期待に胸を膨らませて(何という陳腐な表現。しかし、陛下に会えると思うと急に思考能力などどうでも良くなる)、歩きだす。 すると、それらしき場所が設営してあるではないか。おいらもそこに佇むことにしたのである。 警備を担当している警察官に聞くと、今年は明治天皇ご崩御から100年ということで、両陛下は伏見の明治天皇陵を参拝されたということである。 待つこと数十分、陛下をお乗せになった車が通過である。お~、陛下のお車にはナンバープレートなどないのじゃ。 写真の撮影はOKというので連写させていただいたのであるが、両陛下の写真掲載は畏れ多くて割愛する。 いやぁ、おいらは一生のうちに一度で良いから天皇皇后両陛下にお会いしたいと思っていたのであるぞよ(おいらもスノッブじゃのぅ)。 こうして両陛下にお会いできたので、来年はきっと良いことがあるに違いない。 その後、京都御苑、御所を堪能させて貰った。 下の写真は御所内の紅葉。見事である。 御所、日本人なら一度は行っておく価値のある場所だと今更ながら認識した次第である(この項終り)。 今年二番目に記憶に残ったこと(前篇) 今年一番記憶に残ったことは、やはり、引越である。これについては縷々述べているので、二番目に記憶に残ったことを書く。 それは、12月23日の天皇誕生日に生まれて初めて皇居参賀したことである。 平成天皇の退位が再来年4月末に決まったので、おいらは皇居に一般参賀してみたいと思ったのである。陛下は今年84歳になられた。 当日は愚妻と二人で朝早く出て、皇居正門(二重橋)に午前9時半に到着した。開門は9時半だが、すでに徹夜組を入れて1万人が列を作っている。 天皇のお出ましは、午前10時20分、11時、11時40分の3回である(午後は記帳のみ)。天皇がお出ましになる宮殿前(長和殿)の東庭に10時には着くだろうと高(たか)を括(くく)っていたのだが、それまでのハードルは高かった。 皇居前広場は、とにかく人、人、人である。新聞によると、昨年の参賀者数3万8千人と比べ、今年は平成最多の5万2千人という。 だから、陸続と人の波が続き、おいらの後ろには4万2千人が押し寄せてくる勘定である。 皇居前をひたすら進むと途中で中高生のボランティアだろうか、日の丸の旗をくれる。旗は紙製で取っ手がプラスチック製の国旗である。この旗には宣伝も何も入っていない。素朴な疑問は、誰がこの資金を提供しているのかなと思ったのだが、そういう詮索はするものではない。 DJもどきポリスもいるよねぇ。 さて、二重橋を目指して皇居前広場を進むと最初のハードルは手荷物検査である。ここでバッグの中を開いて見せなければならない。 また、ペットボトルも禁止である。その場で没収。仕方がないから皆そこで飲んでいる。 手荷物検査が終了すると、今度はセキュリティチェック。 これは飛行場の金属探知機を通過するのかと思ったら、膨大な人なので、人力による検査。 コートの前を拡げて、金属探知用の棒でボディチェック。おいらの検査官はお姉さんだったので、抵抗感なし。なんのこっちゃ。 続いて、長蛇の列に並ぶ。長蛇の列が何列もあるのだが、とにかく早く進みそうな列に並ぶ。後で聞いたのだが、団体用の列が左側で個人用が右側なので、左側の列のほうが早く進むというが真偽のほどは不明。 この列で長く待たされ、時計を見るとすでに10時すぎだったので、1回目の参賀はかなわないかなと思っていたら、列が動き始め、正門を目指す。 二重橋を超え、左手に伏見櫓が観える。 そろそろ宮殿だろうか(この項続く)。 今年二番目に記憶に残ったこと(後篇) 右手には丸の内のオフィス街が観える。この方向から丸の内を観るのは新鮮である。 前方には吹上御苑に入る門が観える。 宮殿は目の前だが、立ち止まってはいけない。 皆、整然と歩き、運良く、10時20分少し前に宮殿前の東庭左側後方に到着した。 あっという間に人の波にもまれたが、ちゃんと前方斜め前の宮殿のベランダを観ることができ、1回目の参賀が叶うことになった。 皆、旗を振るので、途端に前が見えなくなる。このとき、「天皇陛下万歳」の声が何度もあがる。 陛下のお言葉があると皆、いい子になる。 お言葉が終わると再び皆旗を振る。「ありがとうございました」の声もあがる。 いやぁ天皇にはオーラがあるわぁ。天皇にお目見えするのは京都御所以来の2度目なのだが、何度見てもそうである。 さて、広場は混雑しており前も後ろも右も左も人だが、将棋倒しになるほどではない。これは、計算され尽くした入場者数である。 おそらく警察にはこれだけの人数を無理なく入場させるためのノウハウが蓄積されているのだろう。手際がよかったという印象である。 せっかくなのでおいらと愚妻は11時と11時40分にも広場に残り、陛下と皇后さま、皇太子さま、雅子さま、秋篠宮ご夫妻、眞子さまのお出ましも拝見させていただいたのである。 今度は正面前方に陣取ったので、お顔がくっきりと見えることになった。 素直に感動である。いやぁ、えがったえがった。 帰路、吹上御苑から東御苑を経由して桔梗門から退出したのだが、途中、十月桜を愉しむことができた。 続いて、見事な南天もあった。 ほっこり。新年はよいことがありそうである(この項終わり)。 以上、今年のブログは、これにておしまいです。 今年も数多くの方々にお世話になりました。ありがたく厚く御礼申し上げます。 皆さまに新しいお年も開運が訪れますように(なお、新年は5日から開始の予定です)。 ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|